保健室から
園では、乳幼児に一番大切なことは、健康な身体の基礎づくりであると考えています。家庭と園とでよく連携をとり、適切な生活リズムと環境作りを目指しています。
しっかり寝て、おいしく食べて、たくさんからだを使って遊ぶことで子どもの健康を守り育てていくことができるように、全職員が連携して子どもの健康を第一に考え保育にあたります。
保健衛生の理念
保育園に関わる全ての子どもが、心身共に健やかに育つように、また安心して生活ができるような環境づくりをします。その中で個々の子どもの発育や発達状況を細かくとらえその子の発育や発達に応じた適切な働きかけを行ないます。子どもが発達する基礎は「健康」にあります。日々の生活がいきいきと輝き、快適に過ごせるように配慮していきます。さらに地域の子どもたちの様子等も知りながら、地域社会と協力して子育てをしていくことを目指すとともに、安全指導と安全管理の2つの柱を大切にしていきます。
基本的な保健目標
①乳幼児の生命の安全の確保
②個々の子どもの健康を維持・増進させる
③健康なからだづくりのために、保育内容をみんなで検討しながらすすめる。

保健年間計画
月 | 目標 | 保健行事 | 保健指導 | 留意点 |
4 ・ 5 | 園の生活に慣れる 薄着で過ごす 年間通して 戸外で充分に遊ぶ | 進級児内科検診 蟯虫検査 尿検査 手洗い指導(幼児) | 生活リズムをつけていく(食事休養) 環境の変化による疲れからくる疾病予防について 伝染病の罹患に対する注意について 衣服・下着について 安全教育(服装・靴・清潔) 蟯虫駆除と予防について 交通事故防止について | ・新入園児の既往歴、体質偏食等の状況把握 ・健康状況、発達の把握 |
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梅雨時の健康管理 清潔に心掛ける 虫歯を予防する | 歯科保健教室 全園児歯科検診 全園児内科検診 | 梅雨期の健康について(食中毒予防) 夏の健康について |
・手洗いの仕方
・爪、頭髪の清
潔
・歯磨き |
7
・8
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水遊びを楽しむ
暑さに負けず元気に遊ぶ
身体を鍛える
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視力検査(3.4.5歳児)
予防接種状況調査(新入園児) 水質検査 (塩素濃度) 全園児内科健診 |
水遊びの効果と注意について プールについて(プール遊びの配慮) 活動と休息 夏の疾病予防(夏季熱と疾患の判断) 水分の大切さ 虫刺されに注意(汗疹予防) とびひの対処法について 冷房使用の注意について 生活リズムについて |
・プール衛生管
理
・外気温の差から体温上昇と分補給に配慮
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9 | 生活リズムを整える 病気や怪我に気をつける | 9/9救急の日 |
生活リズムを取り戻す 睡眠と栄養について 怪我の応急手当 | ・体重減少、食欲不振、その他健康状態の把握 |
10
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身体を鍛える 薄着に慣れさせていく 目を大切にする 良く噛んで何でも食べる | 全園児歯科健診
蟯虫検査・尿検査
10/10目の愛護デー |
目の話、目を大切に(目の愛護デー) 薄着について 風邪の予防・インフルエンザについて 歯科検診について 良い靴の選び方 | ・薄着・戸外遊びにより皮膚、粘膜を鍛錬する ・目と歯の健康 |
11
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寒さに負けない体をつくる | 歯のブラッシング指導 手洗い指導 | 風邪の予防 歯科検診結果と状況について 手洗いとうがいの効果について 薄着について |
・鼻のかみ方
・咳の仕方
・歯磨き再指導 |
12
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寒さに負けず元気に遊ぶ
風邪とインフルエンザの予防(手洗い・うがいを促す)
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風邪・インフルエンザの予防 冬の健康について 肌のトラブルについて 冬の事故(やけど等)について |
・冬期下痢症と感冒合併に注意
・部屋の温度、換気に配慮 |
1 ・2 | 生活リズムを整える 寒さに負けず元気に遊ぶ | 予防接種状況把握 | 病気についての知識(風邪予防・薬) 伝染性疾患について 戸外遊びの必要性について 皮膚の清潔、ひび、しもやけ予防 |
・集団風邪症状の早期発見
・気温差、運動量に応じて衣服の調整
・手洗い後はきちんと拭く |
3 | 寒さに負けず元気に遊ぶ 耳を大切に 成長の喜びを知る | 3/3耳の日 新入園児健康診断 |
耳の日 からだに関心を持つ 健康指導 (感染症について・頭シラミ 薬の持参について) | ・個々の発育状
態
・生活習慣の再確認 |
保健年齢別保育
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Ⅰ期(4・5・6) |
Ⅱ期(7・8・9) |
Ⅲ期(10・11・12) |
Ⅳ期(1・2・3) |
目標 |
・新しい環境に慣れる ・生活リズムを作る ・戸外で元気に遊ぶ ・梅雨時の衛生に気をつける ・歯を大切にする |
・夏を元気に過ごす ・暑さに負けないからだをつくる ・体力回復に努め、生活リズムを整える ・病気や怪我に気をつけ る |
・戸外遊びを楽しみ、体力増進を図る ・寒さに負けない体をつくる ・風邪予防に努める ・風邪流行時の過ごし方を知らせる |
・生活リズムを整える ・寒さに負けず元気に過ごす ・風邪の合併症に注意す る ・怪我に注意し室内遊びを楽しむ ・感染症の流行に気をつける |
全園児 |
・子どもの健康、年齢別発達特性と、親としての関わり方を伝える。 ・内科検診、歯科検診、蟯虫検査、身体測定の結果から、治療のすすめや生活のアドバイスをする ・予防接種と接種前後の健康把握 ・食中毒に注意する ・便の性状、一般状態の観察と、的確な消毒を行なう |
・皮膚の健康状態を観察する ・水遊び、プール時の衛生管理、健康管理、事故に注意する ・食欲の減退や体力低下に注意し、睡眠、栄養を十分にとるとともに、換気、温度差に注意する ・外出時は着帽し、熱射病、又夏期熱の予防を心がける |
・年齢と運動機能発達及び個人差、体温、生活リズムを把握し体力づくりを促しながら常に事故防止を心がける ・室内の温度や換気に気を配り、衣類調節を適切にし、うがい、手洗いの習慣を身に付けさせていく ・風邪予防のため人ごみは避け、食事、睡眠、入浴等、留意点を伝えていく。 ・暖房使用時の諸注意、火傷事故への注意 |
・生活リズムを見直し、風邪や嘔吐下痢症など感染が多くなるので、早期発見、適切な対応をする。 ・室内遊びが多くなるので環境整備に気を配る。 ・進級に向けて、体質、注意点、予防接種状況を確認する。 ・新入園児検診を円滑に行なう。 |
0歳児 |
・集団生活での留意点を知らせ、保護者とのコミュニケーションをとる。 ・個々の健康、発達、状況を把握する。 ・環境変化による体質の変化に注意する。 ・温度、湿度の差から、衣類の調節、更衣、また換気に気をつける。 |
・汗疹、おむつかぶれ、虫さされに気をつけ、沐浴、清拭、更衣、換気に気をつける。 ・水遊び中は滑らないように、安全に配慮する ・水分摂取量の確認と補給 ・室温や外気温との関係を考慮しながら発汗も体験できる環境設定をする |
・衣類は、生理機能など交えて知らせ、十分なハイハイや、歩行などをうながせるようなものにする。又、外出時と室内時、安静時と活動時の衣類調整をし、動きが制限されないような配慮をする。 ・下痢発生時、手洗い、消毒、水分補給、食事についての栄養士との連絡や、保温、休息、清潔に配慮する。 |
・子どもの生活リズムを理解してもらえるように、親に伝える。 ・アトピー性皮膚炎等の乾燥による痒みに注意する。 ・外気の乾燥に注意し、外出は適度にし、室内の湿度も適度に保ち、気管支の保護に努める。 |
1~2歳児 |
・進級時、入園児の状況に留意する。 ・けがや事故に注意する (肘の脱臼 転倒) ・感染症時の過ごし方を親に知らせる ・身体の異常が示せるように接する ・汗をかいたら気がつき、脱げるように声かけしていく |
・プール遊び健康チェックの家庭指導と、水いぼ、湿疹、下痢等健康状態を細かく把握する ・虫刺され後の手入れと処置、爪切りの励行 ・戸外に出る時に帽子をかぶり、地面からの放射熱にも留意 ・活動量は増加するが、体の成長バランスが不調和なので転倒、怪我に配慮する。 |
・活動しやすい衣類、靴で充分活動させる。 ・発汗時には暑いことに気付かせる ・アトピー児、喘息児の体調変化に注意する。 ・興味で行動するので、火傷等の室内事故に注意する。 ・手洗いをしっかりとさせ、うがいをうながす。 |
・よく食べよく寝る児は病気が重くならないことを伝えていく ・ひび、しもやけの予防を伝える ・皮膚の抵抗力をつけるためにも、戸外遊びをすすめる ・感染症にかかった時の過ごし方を伝える。 |
3~5歳児 |
・進級時の心身の訴えに配慮する ・事故や園外への飛び出しに注意 ・蟯虫検査から手洗いの必要性や、実際を確認する。 ・発汗時の更衣の声かけ ・歯磨きの実態を把握し、虫歯予防デーの話等、予防の必要性を知らせる。 |
・プール遊びのチェックで排便、爪切り等自分でも気にかけるよう声をかける ・暑さを楽しめるように活動と休息のバランスを配慮 ・とびひの予防を心がけ、虫刺され跡等かきこわさないことや、自分で気がついて薬を塗ってもらえるようにする。 ・発汗時の更衣や、帽子をかぶることに気がつくようにする。 |
・歯科指導を通して、磨き方や虫歯予防について知る。 ・発汗時には、衣類の着脱ができるようにする ・精神的な訴えに留意する ・年末年始を楽しみながらも生活リズムを大切にし、室内事故に注意していく ・ガラガラうがいとブクブクうがいの違いがわかり、風邪予防のために、外出後、自ら行なえる。 |
・中耳炎、喘息など体質や生活をとらえ検討する。 ・ひび、しもやけのできた子へ、手洗い後よく拭くことやクリームつけをすすめる。 ・屋外でも充分に遊び、体温調整能力を高め、気管等も強くする。 ・進級に向けて、歯科、視力、個々児の持っている問題をチェックし、対応する ・成長を喜ぶ |
事故防止・安全指導
保育士は、子どもの事故発生についての知識を持ち、保護者の皆さんとも連携し、子どもの発達に合わせた安全指導の必要性を認識し、適宜その実施に努めます。また、交通事故の防止に配慮し、家庭、地域の諸機関との協力の下に、交通安全のための指導を実施します。
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発達と特徴 |
生ずる危険 |
安全管理(保護) |
安全教育(指導) |
3~4ヵ月~1歳 |
・ 4ヵ月:手につかんだものを引っ張る ・ 5~6ヶ月:寝返り ・ 9~10ヶ月:這う、つかまり立ち ・ 11~12ヶ月:伝い歩き、ひとり立ち |
・ タオルケットや肌欠け布団で窒息 ・ オムツ交換台より転落 ・ ボタンなどの誤飲 ・ 火傷 |
・ 0歳児は100%大人の保護 ・ オムツ交換台のそばを離れない ・ いつも目の端に子どもの姿を入れる ・ つかまり立ちできるコーナーの設定 ・ 高温の物の取り扱い注意 |
・ 一つ一つの発達がしっかりと身につくように十分に遊ばせる |
1歳~1歳後期 |
・ スプーンや玩具を手にして動き回る ・ 段差のある所に登る ・ 水遊びが好き ・ 外に出たがる ・ 玩具の奪い合い、かみつき ・ 好奇心が旺盛 ・ 動きのある遊具に近づく ・ 歩行が完全でないため転ぶ |
・ 転んで口中や口唇を切る ・ バランスを崩し踏み外して落ちる ・ 乳児プールでおぼれる ・ 浴槽や洗濯機の中に落ちる ・ 交通事故 ・ 友だちを押したり玩具でたたく ・ 火傷 ・ ブランコから落ちる ・ 両手が出ないで顔や頭を怪我する |
・ 手に物を持って歩いたり高いところに登らないように声をかける ・ 両手をしっかりとつかうように働きかける ・ 少しずつ高いところに慣れる保育設定をする ・ プール遊びは人数確認と子どもの動きをみる ・ 洗濯機の水を抜く ・ 大人が仲立ちに、互いの気持ちを伝える ・ 大人がそばにつく ・ 靴が合っているか確認 |
・ 泥んこや砂の感触を嫌がらないように、両手を使った遊びを多くさせる ・ 水と親しめるように、水遊びの機会を多くする ・ 良い靴の選び方を親に知らせる |
2歳 |
・ 滑り台に登り、すべれるようになる ・ 転ばないで走れるようになる ・ ジャングルジムに登る ・ スクーターに乗りたがる ・ 登ることはできても降りられない ・ 少し高い所から飛び降りる |
・ 順番を守れず、押し合いで転落 ・ 道路へ飛び出して交通事故 ・ 親の真似をしてガスレンジをいじったり重いものを足に落とす ・ 転落、転倒によるけが ・ 膝の関節をいためる |
・ 散歩時、必ず前後に大人がつき、車道への飛び出しに注意する。目を離さない ・ ガス栓をしめる ・ スクーターのハンドルカバーなどの確認 ・ 膝関節に負担がかからないような環境整備 |
・ 待つことの大切さを繰り返し伝える ・ 高さに慣れない年齢なので、両手をしっかりと使う |
3歳~4歳 |
・ 一人でブランコに乗る ・ 身近な動物に餌をあげる ・ 好奇心が旺盛になる ・ 両足揃えて跳べる ・ 手すりなしで階段の昇り降りができる ・ いろいろな教材を使う ・ 箸の使用が増える ・ 友だちとのけんかが多くなる ・ ボール投げがうまくなる |
・ 周囲に気を配れず、小さな子に怪我をさせる ・ 動物にかまれる ・ ウサギや亀がもっている菌による病気 ・ 門や柵に登ることでの怪我 ・ 池などを飛び越えようとして落ちる ・ 遠出での迷子 ・ はさみやナイフ等で相手を傷つける ・ けんかで引っかいたり、打撲 ・ 石を投げたりでの怪我 |
・ 固定遊具に保育者がつく ・ ハマダ動物病院と連携を取りながら対応していく。 ・ 施設の危険箇所の点検 ・ 環境の安全を確認する ・ 保育者がついている所で使う ・ 園庭では、ボール以外は投げさせない ・ 必ず大人と一緒に行動する ・ 自転車のブレーキ点検 ・ 身体に合った自転車に乗せる ・ 道具箱の管理をきちんとさせる ・ 乳児が幼児クラスにいくときは、必ず保育者がつく |
・ 危険に対する洞察力が十分ではないので、予測される事故を大人がパフォーマンスで伝える ・ 動物の扱いを伝え、手洗いの必要性も伝える ・ はさみの正しい持ち方、切り方を伝える ・ 巧緻性や平衡性の発達が十分でないので、一人ひとりにきめ細やかな指導をする ・ 水を怖がらせない。状況によってはおぼれるという話しをする ・ 水遊びのルールを伝える ・ 用具そのものが危険なので、保育者がしっかりとつく |
5歳~6歳 |
・ いろいろなことができるようになる ・ プールで泳いだり、川遊びができる ・ ゴム跳び、縄跳びができる ・ 自転車に乗れる ・ 農具や大工道具を使う ・ ルールにそった遊びをする ・ 自由にあるいたり急に止まったりする |
・ 大人が目を離すことで怪我も増える ・ プールサイドで転ぶ ・ 危険な川や、水深がわからないことでの事故 ・ 築山や坂道等からスピードがついて転倒 ・ 道具を使いこなせないで切ったり、打撲する ・ 友だち同士の衝突 ・ 廊下や曲がり角、部屋の出入り口での衝突、怪我 |